労災遺族年金「男女差」解消へ

【この記事のポイント】
・労災遺族年金にある男女差の見直しが検討されています。
・農林水産業への労災保険の強制適用が法改正案の柱です。
・高知県の事業主にとって、早めの確認と備えが重要になります。
労災遺族年金の男女差解消と農林水産業への労災保険強制適用
― 新聞報道から読み解く法改正案のポイント ―
新聞報道の概要
2026年1月の新聞報道によると、厚生労働省は、
労災遺族年金における男女差の解消と
農林水産業への労災保険の強制適用
を柱とする労災保険法改正案を、国会に提出する方針を示しました。
いずれも、長年指摘されてきた制度上の課題に対応するものであり、
働き方や家族の形が変化する中で、制度を現実に合わせていこうとする動きといえます。
※ 現時点では「法案提出予定」であり、内容が確定したものではありません。
労災遺族年金の「男女差」とは
現行の労災遺族年金制度では、
配偶者が年金を受け取る場合の要件に、男女で違いがあります。
- 妻が受け取る場合:年齢要件なし
- 夫が受け取る場合:原則55歳以上
この仕組みは、1965年に制度が整備された当時の、
「夫が働き、妻が家計を支えられる」という家族モデルを前提にしています。
しかし現在では、共働き世帯や、
女性が主たる生計維持者となる家庭も増えており、
実態と制度とのずれが問題視されてきました。
新聞では、この男女差について、
憲法上の平等原則との関係でも課題があると指摘されています。
男女差解消に向けた見直しの方向性
報道によると、厚生労働省は、
労災遺族年金について、性別による年齢要件の差を解消する方向で
法改正を検討しています。
実現すれば、労災で配偶者を亡くした男性についても、
年齢にかかわらず遺族年金を受け取れる可能性が出てきます。
ただし、
具体的な制度設計や開始時期は、今後の国会審議次第となります。
農林水産業への労災保険「強制適用」
もう一つの大きなポイントが、
農林水産業への労災保険の強制適用です。
現在、農林水産業の多くは労災保険が任意加入とされており、
未加入のまま事故が起きると、十分な補償を受けられないケースがあります。
一方で、
農業・林業・水産業は、事故や災害のリスクが高い分野です。
新聞報道では、こうした実態を踏まえ、
小規模事業者への配慮措置を検討しつつ、
労災保険を強制適用とする方向性が示されています。
高知県の事業主にとっての影響
高知県は、農業・林業・水産業が
地域経済を支える重要な産業です。
今回の法改正案が成立した場合、事業主は次の点を確認する必要が出てくる可能性があります。
- 労災保険への加入義務の有無
- 家族従事者の取り扱い
- 保険料負担の考え方
特に、
「これまで任意だったから大丈夫」
という認識のままでは、対応が遅れてしまうおそれがあります。
社会保険労務士が関与する意義
労災保険や遺族年金は、
事故や死亡という重大な局面で初めて問題になる制度です。
制度改正の内容を正しく理解し、
自社の状況に当てはめて整理するには、
専門家の視点が欠かせません。
社会保険労務士は、法律の動きだけでなく、
実務上の対応やリスクを含めて整理し、
事業主に分かりやすくお伝えする役割を担っています。
はしざき社会保険労務士事務所から
はしざき社会保険労務士事務所では、
労災保険を「形式的な手続き」ではなく、
働く人と事業主の双方を守る制度として捉えています。
今回の新聞報道をきっかけに、
労災保険の加入状況や、
万が一の際の備えについて、
一度見直してみることをおすすめします。
制度は、決まってから慌てるよりも、
動きを知っておくことで、冷静な対応が可能になります。
労災保険や法改正対応でお悩みの事業主さまへ
・労災保険の加入が必要か分からない
・家族従事者の取り扱いに不安がある
・今後の法改正にどう備えればよいか知りたい
このようなお悩みがありましたら、
はしざき社会保険労務士事務所までお気軽にご相談ください。
地域の実情に即した実務的なアドバイスで、
事業主さまの不安を整理し、適切な対応をサポートします。

